「防災実務実習」科目受講生 投稿
1月17日ふじのくに防災フェロー「防災実務実習」-科目受講生/フェロー9期修了生
1月17日にふじのくに防災フェロー講義「防災実務実習」が行われた。
担当教員は、静岡大学防災総合センター 岩田孝仁特任教授で、受講生4名(12期生)、修了生1名(9期生)が参加した。静岡県庁にて新型コロナの影響により3年ぶりに実施された地震対策オペレーション2023(大規模図上訓練)を視察した後、岩田先生と訓練について評価・討論した。
1.訓練の概要
和歌山県南方沖を震源とするマグニチュード9.1の巨大地震が発生し、県内でも震度7から6弱の揺れを観測してから24時間が経過したとの想定で、県の職員や警察、自衛隊など約6,500人が参加した防災訓練を視察した。良かった点と改善点を記す。
2.良かった点
(1)県内の自治体や関係機関が迅速な被害状況の把握や情報共有に向けた対応を確認できた。
県庁の災害対策本部におけるそれぞれの機関から派遣された職員による調整会議やテレビ会議などが行われ、被害情報の収集、刻々と変化する情報に基づく応急対策の立案・調整などリーダーシップと短時間での意志決定が大切であると実感した。
(2)大型モニターや通信機器が各所に配置されており、被害状況の見える化と共有化機能が整っていて、被害・要請
等の付与情報が豊富にストックされており、シートのフォーマット化・処理トレイの設置も含め、情報収集(紙ベースと
PC入力)が迅速に処理されていた。
(3)台風15号の教訓を踏まえ、新たに市や町に派遣する県の職員「市町支援機動班」が発足された。災害対応に詳
しい県職員が定期的に市や町とコミュニケーションをとり、具体的な課題を抽出し、具体的なアドバイスをすることにより、
有事における各地の迅速な被害状況の把握と行政機関の連携強化に繋がります。
3.改善点
(1)各班の中では迅速な情報共有が図られていたが、班にまたがる横断的な情報のやり取りが活発にされておらず、複
数の業務に携わる情報のやり取りを通じての更なる情報のトリアージを強化する必要性を感じた。
(2)本部会議において、各班長からの本部長への報告がスムーズすぎ、モニター画面と同時進行しており、実際の発災
時対応と少しかけ離れていると感じた。
(3)県庁での訓練の成果と反省点を、次回にどのようにPDCA展開しているか公表していただけると、市町村、企業の
防災訓練に展開できる。
4.まとめ
今回、防災フェロー受講生4名(福島県、熊本県、愛知県、静岡県)は、静岡県の防災訓練に期待と関心を持っ
て参加しており、訓練視察後、岩田先生と活発な討議がなされた。
有事の際の静岡県災害対策本部の機能を肌で感じた一日でした。
静岡県庁での地震対策オペレーション2023状況
-以上-
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