ふじのくに防災フェロー「津波工学」-科目受講生/フェロー9期修了生
8月20日にふじのくに防災フェロー講義「津波工学」が行われた。
担当教員は、静岡大学 防災総合センター 原田賢治 准教授で、受講生3名(12期生)、修了生1名(9期生)が参加し、Zoomによるオンライン講義で実施された。3年振りの受講でしたが、何回かの休憩を挟んで9時半から5時までの中身の濃い講義で、私にとって、「津波」について再考し、多くの気づきを生む1日であった。
授業内容
授業の主な内容は、①津波工学概論、➁津波の発生、③津波の特徴、④津波による被害、⑤津波の対策で、特に3つのことが印象に残った。
1.東北と静岡では、津波の特徴が異なる。
津波は「引き波」からはじまるとは限らない。海底の地盤の動き方により「押し波」「引き波」が決まる。津波は第2、第3波と何度もやって来る。高さだけでなく周期(長さ)も重要な要因となる。駿河湾は深く南海トラフ地震により発生する津波は押し寄せる時間が短いので対応する対策が必要である。
2.津波工学に関する基本的な計算手法を習得することが出来た。
講義課題の計算問題を解くことにより、①モーメントマグニチュードMwと地震モーメントMoの関係。➁モーメントマグニチュードMwと断層面の長さLと幅Wと剛性率μから断層モデルのすべりを求める。③二つの観測点の距離、観測時間から平均水深を求める。④沖合A地点での水深と振幅から沿岸部B地点での深さから津波の振幅を求める。
3.津波対策の考え方について
防潮堤があるから絶対に安全であると安心しきってはいけない。歴史津波を含めた痕跡の再整理とともに、最新の地球科学等からの知見、津波数値計算による予測から津波レベル2の設定方法を随時見直す必要がある。被害を想定してハードとソフトの総合的な具体的な防災対策を進める必要がある。国、県レベルだけでなく地域、個人でも想定される状況を具体的に想定、訓練する必要がある。
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