9月18日ふじのくに防災フェロー養成講座「地震工学」-科目受講生/フェロー10期修了生-
昨年度、新型コロナウイルス感染症の影響で開講されなかった本講座でしたが、今年度は今期の受講生と2人で受講しました。秦先生の地震工学は先生のご研究内容から受講したい講義の一つでした。
最初に先生に続き受講生全員が自己紹介をしました。
1限目は、地震工学の基礎を三匹の子豚から、建材の違う3つの家が地震に対してどれが強いかを考えました。続いて、地震時の各地の震度、地震と地震動、それを決定付ける3つの因子、震源距離、地盤、周期、構造物の被害など、専門的な内容を分かりやすく平易な表現で講義頂きました。ここでは、兵庫県南部地震を例に建物の揺れの違いと応答スペクトル、台風・地震の建物への影響と家の重さについても学びました。
2限目は、オンライン受講のため実際に見ることが出来ませんでしたが、振動実験(手回しぶるる)についてご説明を頂きました。耐震・制震・免震の工法の違いとその構造に続いて、名古屋大学福和伸夫教授が開発された手回しぶるるの振り子の揺れについて、震災時の写真と比較しながら免震の効果を学びました。
3限目は、学校における防災訓練の問題点を訓練時の子供たちの映像からご説明頂きました。防災訓練で学んだ指示された行動を多くの子供たちが考えることなくとっている様子や他者の行動につられて行動してしまう様子を動画で見ました。なぜ災害時にそういう行動を取るのかを教育せず行動のみを教育してきたことが分かりました。過去の災害においての行動としては誤りではないかも知れませんが、次に起こる東南海トラフ地震に備えるための学校での防災訓練としては、子供たち自らが安全避難を考える力をつけさせることが大切であることを学びました。
4限目は地震のリスクについて講義いただいた。そのリスクの持つ構造から資料写真の場所にどのような被害が起こるのかを考えました。また、安政江戸地震から兵庫県南部地震に至るでの社会構造の発展と被害関係図との関連や被害形態の変化を学びました。
5時間目には被害想定について留意点をご説明頂き、地震被害ツールQuakeを各自のPCにダウンロードしその使い方を学びました。
今日の授業では地震工学の専門性を通して、過去の地震災害時の地震の揺れや建物被害や被害を回避すべく思考と行動様式を身に付けるための防災訓練から、各々の持つ脆弱性や暴露に目を向けて少しでもリスクを回避することが出来るように考えたように感じました。東南海トラフ地震に備え、自らのリスクを今一度考えてみようと思いました。
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