5月15日ふじのくに防災フェロー養成講座「災害社会学」-科目受講生/フェロー9期修了生-
5月15日にふじのくに防災フェロー講義「災害社会学」が行われた。
担当教員は、矢守克也客員教授で、受講生2名(11期生)、修了生1名(9期生)が参加した。昨年に続きZoomによるオンライン講義で実施されたが、リアル講義と遜色なく多くの気づきを生むことができた。
授業概要
1.津波避難訓練
同じ中身を繰り返している避難訓練でなく、住民が情報待ちから主体的に考え、自ら行動したくなる地区防災を整える必要がある。自身がトライ&エラー(素振り)して考え判断する逃避訓練支援アプ「逃げトレ」の活用や地域の子供たちと高齢者が寄り添った避難訓練のような、現地での愚直な活動を継続し根付かせることで「あきらめ」から「前向き」に意識が変化しリスク低減できることが確認できた。
2.風水害における逃避
逃避について「いつ」逃げる、難を避けるために、普段と異なる身近な異変に気づくため目で見て確認できる「避難スイッチ」を決めることと、「どこへ」逃げる、難を避けるために絶対安全(100点満点)だけど行政が指定する遠い場所の避難場所に逃げるだけでなく、住民が決めた近隣の3階建て住宅や2階への屋内避難など「セカンドベスト」(60点)の逃避が重要性か増すと考える。
3.コロナ禍での避難について
災害時の避難所の「三密対策」「多様な逃避」は、コロナがあろうとなかろうと「もともと」大事なことであり、今後、全員避難所逃避ではなく、ホテル・旅館活用など「スーパーベスト」の逃避も実現する必要がある。
4.理工系(自然科学)と文系(社会科学)の横断・融合
今後、豪雨災害の「アンサンブル予測」など、文理工融合研究が大事であることが理解できた。
今回、「災害社会学」科目受講により、改めて防災に関する情報と行動の橋渡しが重要であることを再確認でき、職場・地区における防災実務を実践的に考えて理論的に行動していきたい。
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