4月10日ふじのくに防災フェロー養成講座「コミュニケーション論」-科目受講生/フェロー10期修了生-
2020年度の「コミュニケーション論」はオンデマンド授業であったが、2021年度はZoomを用いてのリアルタイムオンラインで授業が行われた。今年度の受講者は11期生2名と10期生1名の計3名であった。
授業方法は、課題となる文章を読んで受講者各々の疑問質問に対して、先生から解説を受けるゼミ形式の授業であった。関谷先生がご執筆中の書籍からコミュニケーションに関する部分が示され、受講者への課題は午前中に文章を読み疑問・質問を挙げることであった。具体的内容は、災害文化やリスクコミュニケーション、不安や災害流言など。
自己紹介等の後、昼休みを含めて午前の約2時間半、各々課題文章を読み、質問・疑問を書き留めた。午後は、その質問・疑問に先生から解説が加えられた。
受講生の質問への解説は、以下の通り。
日本は4つのプレートの上にあり、急峻な地形などから様々な災害が起こるため、少ない情報では人々に注意喚起することが出来ない。政府の各機関がそれぞれ発する情報量は多く、整理しても複雑である。それに加え、近年は「防災気象情報をもとにとるべき行動と、相当する警戒レベルについて」その情報を示す言葉や情報に対応する色も変更されている。その複雑な情報から人々が災害モードに切り替え、行動に移すにはどうしたらいいのか、平成27年9月関東・東北豪雨を例に解説がなされた。自然災害においてはその被害は低く見積もられ、原発などについては過大に見積もられることも説明された。
災害時には不安や怒りが攻撃性に転嫁され、その不安は情報量の不足から起こること、自分に必要な情報とその量、それに満たないと新たな情報を補う形でうわさが広がり、災害時のうわさは、不安に対する会話や伝聞が情報化されていくため、コントロールしなければならないこと、関東大震災においてはそのうわさが悲劇と化した事例も紹介された。「流言にはパターンがあり、混乱が混乱を招くため、その場では流言とわからないことが多い。流言のパターンを知り、不安を抑える万策を考えるよう災害対応をする人は心しておくこと」と支援する場合の注意も示された。
災害を通して、コミュニケーションや行動の意味や危険性、回避するにはどうしたらいいのかを学ぶことができた。
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