8月22日ふじのくに防災フェロー養成講座「気候学」-科目受講生/フェロー6期修了生-
8月22日、「気候学」が開講された。
奈良大学木村圭司教授が担当され、10期受講生4名と6期修了生1名が参加して、9時半から17時半過ぎまで、zoomによるオンライン講義で実施された。
内容は、「・気候と気象・世界スケールの気候・日本スケールの気候・小スケールの気候・分布図と時系列データの読み方、注意点」というかたちで進められた。
「世界スケールの気候」では、天気予報などでよく耳にする“エルニーニョ現象”や“ラニーニャ現象”について、その仕組みや影響を詳しく教えていただくことができ、またジョット気流が、ヒマラヤ山脈との関係で梅雨前線や秋雨前線の一部を構成しているということもうかがうことができた。普段は、特に意識せずに受け止めている気象情報も、日本から離れた場所からの連動現象として捉えることで、例えば他者へ説明する際の言葉の厚みが変わって来ることを実感した。他にも、日本スケールや小スケールの気候でも、その特徴的な現象が、その地域に固有のものとなるための要因があることが分かり、災害における素因と誘因との関係を改めて思わされた。
最後のディスカッションでは、“地球温暖化”について議論が盛り上がった。“地球温暖化”の要因として上げられている二酸化炭素の1880年頃からの増加曲線からは、その増加が気温上昇に繋がってはいない時期があるということ、また過去1000年間の気温変化では、今と同じような温暖期がこれまでにもあったこと、更には地球から出されるエネルギーの多くを、実は水蒸気が吸収していることなどに受講者の関心が集まり、図らずもメディアリテラシーを磨く時間にもなった(講義内では他の事例でもメディアリテラシーが取り上げられた)。この中で、特に水蒸気の問題が強く印象に残ったこともあり、木村教授がご紹介されていた赤祖父俊一の「正しく知る地球温暖化―誤った地球温暖化論に惑わされないために」をさっそくアマゾンで購入した。(グレタの環境問題への取り組みにも興味が湧いてきたが、防災からは離れたところに行ってしまいそうなので自重した。)
季節がら、気象の変化には敏感になるが、今回の講座を基に、情報をより適切に収集・解釈できるようになりたい。
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