7月11日ふじのくに防災フェロー養成講座「リスク論」-科目受講生/フェロー9期修了生-
7月11日にふじのくに防災フェロー講義「リスク論」が行われた。
担当教員は、鈴木清史客員教授で、受講生4名(10期生)、修了生1名(9期生)が参加した。昨年ネット受講し、「リスクとは何か」、「リスク・コミュニケーションの問題」、「災害は日常生活の脆弱部を露呈し、一過性でなく時間経過を取り入れる必要がある」等の印象的なキーワードは私にとって、勤務先での防災教育のリスクについて考えさせられた。今年は、Zoomによるオンライン講義で実施され、COVID-19(新型コロナウィルス感染症)のリスクについても学ぶことができ、多くの気づきを生むことができた。以下、講義を受けて特に感じた3つのことを記す。
- 人的要因によるハザードが増えているのでは?
崩壊をもたらす要因:ハザード(害、外圧)の種類には自然(台風・火山・地震・津波・干ばつ・洪水)、技術的(人的)、複合の3つがある。最近、国内外で深刻な気象災害が多発している。今後、地球温暖化等で高まることが予想される気象災害リスクに対応するため、経済・社会システムや日常生活のあり方について大きく変えることが不可欠である。また海・山・川から恩恵を受けて暮らしている自分たちは、災害と共存する生き方を再認識する必要があると感じた。
- 文化として防災教育・意識の定着化を目指す必要がある。
勤務先で昨年はじめてBCP訓練が実施された。準備、当日の活動により一定のレベルま で達することができたが、単発的な活動により定着化できず最初のレベルに戻ってしまった。集中的なレベルアップと双方向的な愚直な防災活動が必要である。
知っている単語の数だけしか伝えられず、防災教育、防災意識の定着のためには、災害についての知識と相応の行動能力「防災・リテラシ」が必要である。
- リスクの伝え方、リーダーの育成
COVID-19(新型コロナウィルス感染症)対策について、英国での具体的な行動指針に比べて、日本の行政から次々に発信される情報は抽象的で情報の意味が十分に理解されず、必要な人に届いて活用・行動されるまでに至っていないことが多い。
また被災時に「正しい判断により命が守れた」「正しい判断したが命が守れなかった」「正しい判断しなかったから命が守れなかった」「正しい判断しなくても命が守れた」この場合、結果に対しての「正しい判断」の根拠は難しいが、自分・家族・地域住民・国民の命を守るために最善の判断ができるリーダーを育成することが大切である。
- 最後に
今回の講義で学んだことを企業における業務で展開していきたい。
また、約6時間の講義で、受講者は休憩時間と時々Zoomビデオをoffにして一息つけるが、鈴木先生をはじめ担当教員は、ぶっ通しで講義され、防災教育と人づくりへの熱意がひしひしと感じた。
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