5月18日ふじのくに防災フェロー養成講座「コミュニケーション論」-科目受講生記事/フェロー6期修了生-
関谷直也先生による「コミュニケーション論」を受講した。昨年度は都合がつかず参加を断念した講座だった。この日は5名の研修生の参加もあった。
本講座を受講した理由は、「相手に『伝わる』伝え方」を学びたいと思っていたからである。養成講座修了後、市役所や社会福祉協議会、自治会などが開催する防災勉強会で講師を務める機会が増え、その都度、どのようにすれば伝えたいことが伝わるのか、またどうすれば参加者の具体的な行動へつながる働きかけができるのかといったことを考えてきていた。昨年、グッドデザイン賞を受賞した「そなえるドリル」は、まさにこの問題意識からスタートし、備えるべきものを自らが導き出して見える化する防災学習ツールとして、三菱地所レジデンス(株)や(一社)復興応援団などと完成させたものだった。ただ勉強会のように、言葉のやり取りで終始してしまいがちな状況では、伝え方を工夫しなければ何も伝わらないということが分かれば、これからの活動に活かしてゆきたいと思っていた。
さて、講座を振り返ってみて最も印象に残ったのは、目的的コミュニケーションと道具的コミュニケーションという考え方である。特に目的的コミュニケーションは、「関係性作り」という言葉で置き換えられるようだが、私はこれまで、コミュニケーションの狙いが、この二つに分けられることを認識していなかったことに気づいた。例えば、勉強会のように限られた時間の中では、始めから道具的コミュニケーション(伝えたいことそのものを伝える)を行いがちであるが、参加者との関係性が構築されていない状況でそれを行っても難しいということなのだろう。そして、「相手に『伝わる』伝え方」をするためには、こうしたコミュニケーションの違いを意識して用いることができるかどうかなのだろうとも感じた。今後は、限られた時間の中にあっても、各のコミュニケーションの特性理解し、それらをうまく組み込みながら話を展開してゆく方法を模索してゆきたいと思った。
他にも、災害コミュニケーションでは、人は災害発生前には危機を低く見積もる傾向があること、そして逆に災害後には過度に恐れる傾向が表れるという話題にも興味を持った。特に後者は、うわさや様々な混乱へと繋がっていくとのことで、これに関連して取り上げられたパニックや流言については、その発生などの仕組みを知ることができた。
引き続き6期で受講できなかった講座や新しい講座など、機会を見つけて参加したいと思っている。
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