11月24日ふじのくに防災フェロー「地域調査演習」-科目受講生記事/フェロー4期修了生-
当センター 牛山素行教授による「地域調査演習」の講座が11月24日(土)に行われ、研修生4名の参加がありました。
この講座は受講生が前以って「防災に役立つ 地域の調べ方講座」(牛山素行、古今書院)をテキストにそれぞれで決定した対象地域を調査し、その結果を発表し、議論を行う内容です。
初めに牛山教授により、当演習で行う、「素因」(=地域の持つ災害に関わる性質(地形・地質・気候・人口など))を知ることの重要性について、近年の統計や事例も引きながら、以下のような内容が話されました。
・災害(disaster)は素因と誘因(hazard)によって引き起こされる
・誘因をきめ細かく予測することには限界がある(難しい)
・それに対して、素因を知ることは情報を駆使すれば比較的可能性がある
・例えば、(「低地」「台地」「山地・丘陵地」と地形を分類した時に)低地にあたる場所で洪水や河川災害による死者が多く出ているなど、一定の関連性はあるとはいえる。
その後、研修生により、人口、略史、地形、地質、気象、災害想定やハザードマップなどについて調べたことを、15分間の発表資料およびレポートを用いての発表が行われ、議論が行われました。
議論の中では、レポートおよび発表内容の中身についても議題に上がる中、どのような文献を引いたか、それらをどのようにまとめ資料を作成したか、資料の引用方法など、文献調査のノウハウに係る部分についての質疑も行われました。その中で出た、「調べたことと、自分の考えを区別することが肝要」「調べていないことは調べていないと答える。推測や自分で考えたことでそれを埋めようとしないでいただきたい」というアドバイスは、今後こうした調査を多く行うことになるであろう、研修生にとって非常に重要な内容なのではないかと感じさせられました。(私自身もさらに肝に銘じたところでした。)
本フェロー講座は修了までに学会等での発表が必須とされており、その際に自らの調査結果をまとめ上げる必要があります。その内容はこの講座の内容とは異なる方もいらっしゃいますが、調査をまとめる際の考え方は共通しているので、これが修了研修の糧になればと思います。
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