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2016年5月 2日 (月)

4月30日ふじのくに防災フェロー「都市防災概論」-科目受講生記事/フェロー3期修了生-

今年度新設された廣井 悠客員准教授担当の都市防災概論が開講され、11名が受講しました。

 

講義は都市災害の中でも火災に重心をおき,防災まちづくり,燃焼現象,地震火災,津波火災のそれぞれについて,必要に応じて動画や受講者への問いかけを交えながら行われました。

 

防災まちづくりでは,都市計画法に基づいて行われる都市計画とNPOや住民からのボトムアップで行われるまちづくりは相互に補完するものであり,個別に行われるまちづくりに対して全体を俯瞰するものとして都市計画が位置づけられることが紹介されました。東京の都市防災計画については,江戸時代にまで遡り不燃化(飛び火対策含む)の重要性が事例と共に紹介された他,関東大震災以降,都市基盤整備,都市防火区画の形成,地区レベルの対策へと変遷していることが紹介されました。 木造密集市街地は権利関係の複雑さなどから建物の更新が進まず,地区レベルの対策はなかなか進展しないとのことです。

 

燃焼現象の基本を押さえた上で,地震火災については関東大震災での火災に加えて東日本大震災での火災が紹介され,同時多発火災の消火の困難さ,防火設備が被害を受けたビルでの火災のリスクが示されました。津波火災については東日本大震災では自動車のガソリンタンク,ガスを噴出しながら流出したプロパンガスのボンベなどが物とぶつかった際に発した火花で着火し,これが斜面などに集積したがれきに延焼して大きな火災になった可能性が示されました。それ自身では着火しにくい重油も木材がロウソクの芯の役割を果たすことで燃焼するようになるという実験事実も紹介されました。

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