7月25日 ふじのくに防災フェロー「地震工学」-科目受講生記事/フェロー1期修了生-
7月25日にふじのくに防災フェロー講義「地震工学」が行われました。
担当教員は、秦康範客員准教授(山梨大学工学部准教授)です。
参加人数は、受講生が9名(5期)、修了生が1名(1期)でした。
午前の前半は、地震工学の基礎と題して、風と比較した地震動の特性について説明がありました。風は、風の強さや風を受ける建物の面積と建物の重さによって被害が変わる(決まる)ことを教わりました。一方、地震動は、揺れの加速度・周期・継続時間と地盤・建物のやわらかさや振動特性によって被害が変わることを教わりました。
午前の後半は、「手回しぶるる」を用いた振動実験を行いました。手回しぶるるとは、ハンドルで操作する振動台と建物を模した鉄板・重り等の模型で構成される地震動作用時の挙動を簡単に再現できる学習ツールです。実験では、建物の構造を変えたり、振動の周期を変えたりし、地震動の周期と建物の固有周期が一致する場合・一致しない場合の揺れ方の違いを確認できました。
午後の前半は、地震被害について、ハザードと社会の脆弱性が合わさった時の災害リスクはどのようなものであるかという観点の下、建物やライフラインの過去の被害・復旧事例について解説がありました。ここでは、社会の脆弱性については、人口構成や都市化等及び曜日や時間等により変化するものであることが分かりました。また、電気・ガス・上下水道・通信・交通に代表されるライフラインの復旧については、電力が供給されなければ機械が動かない等の復旧の順番に傾向があることやガス漏れの確認等の安全確保に時間を要するものがあることが分かりました。
午後の後半は、近年注目されているトピックである地震被害想定・防災教育・火山災害について学びました。地震被害想定については、静岡県の地震被害想定のうち建物被害を例にした推定手法の考えを知ることができました。また、防災教育については、秦客員准教授が取り組まれている山梨県の防災教育の取り組みの動画(ビデオ)が興味深かったです。火山災害については、長野県・岐阜県境の御嶽山噴火の紹介がありました。
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