講演会 「富士川河口断層帯の地下構造を探る」 「富士山―火山防災対策の現状と課題」のご報告
11月23日、静岡県地震防災センターにおいて行われた講演会で、狩野謙一特任教授と小山真人副センター長が講師を務めました。
講演会のちらしはこちらからご覧になれます→http://www.pref.shizuoka.jp/bousai/chosa /documents/131123.pdf
前半は、狩野教授が「富士川河口断層帯の地下構造を探る」というタイトルで、昨年富士川河口断層周辺で行った調査の成果を報告しました。
まず調査で用いられた反射法地震探査(起振車で発生させた人工的な地震波を他の地点で観測し、地下での地震波の伝わり方の違いを見ることで地下構造を知る手法)について紹介され、得られた探査断面の画像から解説が行われました。
「富士川河口断層帯の一部である大宮断層は、先行研究では高角(断層面の角度がほぼ垂直)の正断層とされていたが、今回の調査から低角の逆断層である可能性が高いことが明らかになった」ことや、「断層面の角度が低角になると、垂直方向の変位が同じでも水平方向の変位量が大きくなるため、より活動度の高い断層として地震リスクを再評価すべき」であること等が述べられました。
後半は小山教授が 「富士山―火山防災対策の現状と課題」というタイトルで講演を行いました。
まず、富士山がどのような噴火の歴史を経て形成されたかについて、噴火の様子を再現したCG映像などを用いて解説された後、今年度末に策定予定の「富士山火山広域避難計画」の骨子についても紹介されました。
さらに、山体崩壊が起こった場合の被害について、北東方向への崩壊の場合には最大40万人が被災する可能性があることや、南西側への崩壊で津波が発生した場合には最大3m程度の波高になることなどが述べられ、現時点では避難計画に盛り込まれていないこれらの想定も今後は考慮していく方針が説明されました。
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