10月5日ふじのくに防災フェロー「地理学演習」
10月5日、ふじのくに防災フェロー養成講義「地理学演習」を開講いたしました。 担当教員は近藤昭彦客員教授で、15名の受講生が参加しました。
導入として、地理学は人と自然の関係(=環境)を主題とする学問であること、普遍性(複数の地域で共通する特徴)だけでなく個別性(特定の地域に見られる特徴)を読み解くことが重要であることが述べられました。
前半の講義では、メルカトルなどの図法や空中写真といった空間情報(三次元的な広がりを持つ情報。地図や画像)に関する基礎知識、水害地形を理解する上で基本となる扇状地・氾濫原・三角州といった河川地形についての解説が行われました。
午後は実践編。阿賀野川や利根川などを例に、洪水の被害を受ける地域の地形がどのように変化してきたのか、明治や大正時代の地図と現在の地図を見比べる作業を行いました。
本来は蛇行していた河川を直線的な堤防で固定して周辺の宅地整備を行った場所があること、昔の地図で後背湿地や河道だった場所は洪水や液状化の被害を受けやすいことなどが明確に読み取れました。
また、空中写真の実体視から、地すべりや土石流といった土砂災害の起こりやすい地形の判読も行いました。(下写真)
近藤教授は、「地図を読み解くことで、そこで起こる可能性のある災害を予見することができる。地形図や空中写真はHP等で簡単に得ることができるので、ぜひ地形の判読をマスターして活用してほしい」と強く訴えました。
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