富士川河口断層帯ー糸静線横断地下構造探査を実施しました
帝京平成大学と静岡大学防災総合センターは他の研究機関と連携して、富士川河口断層帯から糸魚川静岡構造線に至る地域で地下構造を明らかにすることを目的として「富士川河口断層帯-糸魚川静岡構造線横断地下構造調査」を平成24年4月5日~4月15日の11日間にわたって実施しました。
富士川下流域は,富士川河口断層帯・身延衝上断層系・糸魚川-静岡構造線といった活断層を含む断層帯が位置し、フィリピン海プレートが沈み込むという地震防災上重要な地域ですが,それら地下の様子を解明するデータは今まであまり得られていません。
そのため、この度の調査では、静岡県富士市大渕地区を基点として西方へ、同県富士宮市、山梨県南巨摩郡南部町を経由して竜爪山地を横断し、静岡県静岡市葵区梅ヶ島地区までの約36kmの調査測線において、地殻構造の調査を行いました。
↑波形をコントロールした微細な振動を地面に伝える特殊な車両です。
振動中もすぐ横に立っていても振動しているのかしていないのかほとんど分かりません。
調査のために設置した測線上の記録装置が、地中を通して伝わった振動を記録し、その伝わり方を解析することで地下構造が分かります。
現在は,記録装置からデータを取り出す作業をしています。
5月下旬からデータの処理作業に入り、今年度中におおまかな調査結果をまとめ来年度には詳細なデータが公表できる見通しです。
調査成果は研究チームが中心となって随時,学会等で報告していきます。
当センターの教員では、伊藤谷生客員教授と狩野謙一教授が主に本調査を進めています。
調査地域周辺にお住まいの方々におかれましては,調査へのご理解,ご協力,誠にありがとうございました。
探査方法について知りたい方は下記のページ等を参照下さい。
・地震調査研究推進本部の「地球キッズ探検隊---地震の謎に迫る---」ページ
http://www.jishin.go.jp/kids/chosa06/win06_04.html
・株式会社地球科学総合研究所「反射法地震探査の概要」ページ
http://www.jgi-inc.com/japanese/02_techinfos/0201_ButsuriTansa/020101-01_Hanshahou.html
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