2月29日ふじのくに防災フェローシンポジウム レポート
過去記事で紹介したように、2月29日に「ふじのくに防災フェロー養成講座」のシンポジウム「第一期から第二期へ向けて」を,静岡県地震防災センターにて実施しました。
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シンポジウム「第一期から第二期へ向けて」レポート
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●基調講演
「東日本大震災が起きて見えてきたこと:3.11の悲劇を明日に生かす」
野津憲治 静岡大学防災総合センター客員教授(東京大学名誉教授)
地震は以前から過去にも津波被害がたびたび起きており、予想されていた場所に起き、備えは万全のはずだったことを、走行中の新幹線の被害がなかったことや、建物被害も少ない点、原発もほとんどが地震動によって停止していることを例としてあげて述べました。
しかし、約二万人の犠牲者が出てしまい、甚大な原子力災害が起きたことはなぜかと疑問を投げかけました。
野津教授は、研究史や東日本大震災の対応事例を紹介し、地震学(地球科学)と原子力工学の抱えている課題を指摘しました。
100年に一度の自然災害が起きた年にふじのくに防災フェロー養成講座がはじまったことを重く受け止め、「百年の計は教育にあり」と今後の発展に期待を寄せました。
●パネルディスカッション
「ふじのくに防災フェロー養成講座第一期から第二期へ」
引き続きパネルディスカッションが行われ、コーディネーターを静岡大学防災総合センターの牛山准教授、野津教授に、防災フェロー受講生3名(上西智紀さん、小林正人さん、諸橋良さん)と静岡県危機管理部望月政俊危機情報課専門監、当センター長の増田俊明教授が登壇しました。
まず、受講生から「業務で防災担当になったが、一過性のイベント防災で終わってしまうことに疑問を感じた。」と本講座野受講を決めたきっかけや「業務と講座の両立が大変難しかった。」「修了研修で課題解決にとりくんだが、やっぱりよくわからないことがわかった。」と苦労した点が述べられました。
教員陣は「仕事を持っている社会人ながら大変熱心に課題に取り組んでくれた姿勢には敬意を表する」と労いました。
また、「学問分野の第一人者の講義を少人数で受けることで、議論を尽くすことができた」り、「第一線で活躍している教員の情熱に影響を受けた」と、受講生らは講座によって得るものが大きかったことに言及しました。
連携している静岡県危機管理部情報課専門監は「事業所や職場のリーダーにこそ防災教育を受けて欲しい。そして、それを現場で積極的に活かしていってほしい。」と期待を寄せました。
最後に「修了生は今後も静岡の防災の向上のために、一緒に闘って欲しい。」と当センター長がメッセージを送りました。
第1期修了生の認証授与式は3月17日防災学講座で行われます。
第2期の講座は今月より1年〜1年半かけて実施されます。
これからもご支援、ご指導をよろしくお願いいたします。
本シンポジウムの詳細な報告書は後日公表しますので、そちらもご参照ください。
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朝日新聞にて紹介されました。
「防災力」を高める(2012年03月09日)
http://mytown.asahi.com/shizuoka/news.php?k_id=23000001203090004
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